自己分析とキャリアの棚卸しは、初めての転職を検討する場合に必ず行っておくべきことです。
20代、30代の初めての転職を考えるときは「自分には何ができるのか」「どんな仕事が向いているのか」と悩むことが多いですよね。
その答えを見つけるために大切なことがキャリアの棚卸しと自己分析です。



ほんならな、偶然出会った人にオアシスの場所が書かれた地図とコンパスをもらえたんや。めっちゃラッキー! せやけど、その人は結局オアシスに辿りつきませんでした。おしまい。





このコンテンツでわかること
- 転職に向けた自己分析の方法
- キャリアの棚卸し方法
このコンテンツを読むと、自己分析とキャリアの棚卸しができるスタートラインに立つことができるようになります。
転職に向けた自己分析の方法とは?
転職に向けた自己分析は、自分がどんな仕事やライフスタイルを求めているのかを書き出して、複数の情報をまとめていく形で進めていくと良いです。
ということで、今回行う自己分析は
- 主観の自己分析1:自分の仕事に対する価値観を整理する
- 主観の自己分析2:キャリア以外の自己分析
- 客観の自己分析1:適性診断や自己分析ツールを活用する
- 客観の自己分析2:他者のリアルな意見を取り入れる
という順番で説明をしていきますね。
先にポイントだけをお伝えしておくと、以下となります。
自己分析のポイント
- 主観と客観の自己分析を組み合わせる。
- 自分で一旦納得できたら、深掘りしすぎない。
それでは、自己分析のポイントを意識して、次の4つの自己分析を実施しましょう。
主観の自己分析1:自分の仕事に対する価値観を整理する
まず、主観の自己分析として「自分の仕事に対する価値観」を明確にしましょう。
①仕事を通じて実現したいこと
項目 | 説明 |
---|---|
社会貢献 | 人の役に立つ仕事を通じて社会をより良くしたい |
経済的安定 | 安定した収入を得て、生活の安心感を確保したい |
挑戦・成長 | 新しいスキルや知識を学び、成長し続けたい |
影響力の拡大 | 仕事を通じて自分の影響力を広げ、リーダーシップを発揮したい |
自由と独立 | 自分のペースで仕事を進め、自由な働き方を実現したい |
②どんな働き方をしたいのか
項目 | 説明 |
---|---|
ワークライフバランス重視 | 仕事とプライベートの時間を両立させたい |
フルリモートワーク | 場所に縛られず、好きな環境で仕事をしたい |
フレックスタイム制 | 自分の働きやすい時間帯で仕事を進めたい |
副業・兼業OK | 本業以外にも収入源を持ち、多様な働き方をしたい |
成果ベースの評価 | 働いた時間ではなく、成果で評価されたい |
③理想の職場環境
項目 | 説明 |
---|---|
チームワーク重視 | 協力しながら目標達成を目指せる環境が理想 |
成果主義 | 実力や結果が正当に評価される環境で働きたい |
風通しの良い文化 | 意見やアイデアを自由に発言できる環境がいい |
学びの機会が多い | 新しい知識やスキルを身につけられる職場が理想 |
柔軟な働き方ができる | 場所や時間に縛られず、自由な働き方ができる職場が良い |
上の①〜③からそれぞれ自分に当てはまるものを選んで、横に理由とコメントを付け加えると「自分の仕事に対する価値観」が整理できます。
記入例
項目 | 選択肢した価値観 | 理由やコメント |
---|---|---|
仕事を通じて実現したいこと | 挑戦・成長 | ルーチンワークではなく、新しいスキルを学び続けられる環境で成長したい。将来的に独立やキャリアアップにつなげたい。 |
影響力の拡大 | 自分のアイデアや戦略がビジネスに大きく影響を与えるような仕事をしたい。 | |
自由と独立 | 将来的には独立やフリーランスの道も視野に入れて、自分の力で生きていけるようになりたい。 | |
どんな働き方をしたいのか | フルリモートワーク | 時間や場所に縛られず、自分のパフォーマンスを最大化できる環境で働きたい。 |
副業・兼業OK | 本業だけでなく、副業や個人のプロジェクトにも挑戦できる働き方をしたい。 | |
成果ベースの評価 | 働いた時間ではなく、出した成果で評価される環境の方がモチベーションが上がる。 | |
理想の職場環境 | 成果主義 | 実力が正当に評価される環境の方がやりがいを感じる。年功序列ではなく、頑張った分だけ評価されたい。 |
学びの機会が多い | 新しいスキルや知識を身につけ続けることができる職場が理想。マーケティングやデータ分析、ビジネス戦略などのスキルを磨きたい。 | |
柔軟な働き方ができる | リモートワークやフレックスタイムなど、自由度の高い働き方ができる環境がベスト。 |


主観の自己分析2:キャリア以外の自己分析
主観の自己分析2つ目は、「キャリア以外の自己分析」です。
仕事だけでなく、プライベートの価値観や趣味も考慮することが重要です。一見、仕事とは無関係と思われることもありますが、パーソナルな部分に個性が現れます。項目としては、以下の4点を確認しておくと良いです。
項目 | 記入例 |
---|---|
趣味・興味のあること | 自分の趣味(スポーツ、アート、旅行など)で大小は問わない。 |
人間関係の好み | 一人で黙々と作業するのが好き、チームで協力するのが好き、社交的で人と話すのが好きなど |
長所 | 計画的に動ける、論理的に考えられる、自主的に学ぶ姿勢がある、責任感が強い、適応力が高いなど |
短所 | 完璧主義すぎる、雑談や人付き合いが苦手、マルチタスクが苦手、柔軟性に欠けることがある、ストレスを感じやすいなど |

記入例
項目 | 記入例 | 理由・コメント |
---|---|---|
趣味・興味のあること | 旅行 | 新しい場所や文化に触れるのが好き。ビジネスやマーケティングのインスピレーションも得られる。将来的にワーケーションもしてみたい。 |
読書(ビジネス・自己啓発系) | キャリア戦略や新しいビジネスモデルに興味があり、知識を深めるために読書を続けている。 | |
人間関係の好み | 一人で黙々と作業するのが好き | 深く集中して仕事を進める方が得意。チームワークも大事だが、基本は個人で成果を出せる環境が理想。 |
必要な時に協力できる環境が理想 | 無駄な会議や雑談は少なく、必要なときだけ連携して効率的に進める働き方が合っている。 | |
長所 | 計画的に動ける | 目標設定や戦略を立てて、効率よく成果を出すのが得意。 |
論理的に考えられる | データや事実をもとに判断し、冷静に問題解決できる。 | |
自主的に学ぶ姿勢がある | 知識を深めることが好きで、新しいスキルや情報を積極的に取り入れる。 | |
短所 | 細かい部分にこだわりすぎることがある | 完璧を求めすぎて、時間がかかることがある。 |
人との雑談が苦手 | 目的のない会話が続くと疲れることが多い。 | |
マルチタスクが苦手 | 一度に複数のことを進めるより、一つのことに集中した方が成果を出しやすい。 |

ここまでが、主観の自己分析の2つとなります。続いては、客観的な自己分析を説明します。
客観の自己分析1:適性診断や自己分析ツールを活用する
客観的な自己分析をするために、自己分析ツールなどを活用すると良いでしょう。
自己分析ツールのメリット
自己分析ツールを使用すると、短時間で情報量が多いフィードバックが得られます。
自己分析ツールは、世の中に多くリリースされているので、今回はオススメの2つのツールを紹介しておきます。
全て実施する必要はありませんが、どれか1つは実施しておきましょう。
おすすめの自己分析ツール2選
性格を16タイプに分類し、思考・行動の傾向を分析。
5つの主要因子(好奇心、職業倫理、コミュニケーションスタイル、チームワーク、ストレス許容度)を分析し、個人の性格特性を詳細に評価するテスト。
レポートは有料になります。


客観の自己分析2:他者のリアルな意見を取り入れる
客観的な自己分析2つ目は、「他者からの意見」です。
自分だけでは気づかない強みや特性を知るために、周囲のリアルな意見も参考にしましょう。
意見は、できるだけ自分ことを知っていると思っている人に聞いてみる方が良いです。例えば、友人や家族に「どんな正確か」尋ねてみたり、同僚や上司に「自分の強み・得意なこと」を聞いたりしてみましょう。
ココがポイント
他者の意見が、自分の想定と違っても新しい発見と捉えましょう。自分を評価するのは、自分ではなく他者です。
ここまでの4つの自己分析を実施したあとは、次の様にそれぞれの自己分析の情報をまとめて整理していきましょう。

主観の自己分析が難しいなら客観の自己分析からやってみるとええで!

キャリアの棚卸しとは?方法は?
キャリアの棚卸しとは、自分がこれまでの仕事や経験の中で培ってきたスキルや実績を整理することです。
自己分析とは異なり「キャリア」に特化した情報を整理していきます。
なぜキャリアの棚卸しが必要なのか?
キャリアの棚卸しは、自分のキャリアの「現在位置」を知る最も有効な手段で、良いことばかりです。
- キャリアの現在位置がわかる → 理想とのギャップがわかる。
- 自分の強みやスキルを明確にできる → 企業にアピールしやすくなる。
- 転職の方向性を決める材料になる → 自分に合った仕事を探せる。

それでは、具体的なキャリアの棚卸し方法を説明します。
キャリアの棚卸しの方法
キャリアの棚卸しは、以下の4STEPで行うとスムーズに進めることができます。
step
1これまでの業務内容を書き出す
どんな仕事をしてきたか、どのような役割を担っていたか、担当したプロジェクトや業務の成果などを中心に書き出してみましょう。
記入例(営業の場合)
項目 | 記入例 |
---|---|
どんな仕事をしてきたか? | 法人向けの新規営業・既存顧客のフォロー、提案型営業 |
どのような役割を担っていたか? | 個人目標を追うプレイヤー兼チームの売上向上をサポートするリーダー的役割 |
担当したプロジェクトや業務の成果は? | 新規顧客開拓で年間○○件の契約獲得、売上前年比○○%アップ |
step
2スキルを洗い出す
これまでのキャリアを通じて身につけているスキルとレベルを書き出してみよう。
例(営業の場合)
スキルカテゴリ | スキル内容 | レベル | 説明 |
---|---|---|---|
営業スキル | 提案営業 | 4 | 顧客の課題をヒアリングし、最適な提案を行う能力 |
新規開拓営業 | 3 | 未開拓市場や顧客へのアプローチ力、飛び込み営業の経験 | |
交渉力 | 4 | 価格・条件交渉を行い、成約につなげるスキル | |
顧客管理(CRM活用) | 3 | SalesforceやHubSpotなどのツールを活用し、顧客情報を管理 | |
マーケティング | 市場分析 | 3 | 業界動向や競合の分析を行い、営業戦略を立てるスキル |
SNS・デジタルマーケティング | 2 | SNSや広告を活用した営業活動の経験 | |
コミュニケーション | プレゼンテーションスキル | 4 | 顧客や社内向けの提案をわかりやすく伝える能力 |
ヒアリング力 | 5 | 顧客のニーズや課題を的確に把握するスキル | |
チームマネジメント | 3 | 部下や後輩の指導・育成経験 | |
業務効率化 | 資料作成(Excel・PowerPoint) | 4 | 提案資料やデータ分析の資料を作成する能力 |
営業フロー改善 | 3 | 業務プロセスの見直しや効率化を実施した経験 | |
その他 | タスク管理 | 4 | 複数の案件を同時に進めるスケジュール管理力 |
数字管理(KPI達成力) | 4 | 売上・成約率などの目標を意識して行動できる |
レベルの基準
- 1:基礎的な知識がある
- 2:実務経験が少しある
- 3:通常の業務で問題なく使えるレベル
- 4:専門的に活用できるレベル
- 5:他人に指導できるレベル
STEP3の実績成果と合わせるとより具体性がアップするで!

step
3実績・成果をまとめる
会社で評価されたこと、表彰された経験、自分が改善・工夫して成果を出した事例をまとめよう。
この時STEP2のスキルを実績と合わせることで、実績とスキルの「情報の一貫性」が生まれるので信頼性がアップします。
例(営業の場合)
項目 | 実績・成果 | 関連するスキル |
---|---|---|
会社で評価されたこと | 年間トップ営業として表彰 | 提案営業(4)、交渉力(4)、ヒアリング力(5) |
売上目標120%達成 | 数字管理(4)、営業フロー改善(3) | |
新規顧客開拓数No.1 | 新規開拓営業(3)、顧客管理(3) | |
表彰された経験 | 社内MVP受賞 | プレゼンテーションスキル(4)、提案営業(4) |
ベストチーム賞を獲得 | チームマネジメント(3)、タスク管理(4) | |
改善・工夫して成果を出した事例 | 営業フローを見直し、受注率を○○%向上 | 営業フロー改善(3)、タスク管理(4) |
提案資料のフォーマットを改善し、契約率向上 | 資料作成(4)、プレゼンテーションスキル(4) | |
CRM活用で顧客管理を最適化し、リピート率UP | 顧客管理(3)、市場分析(3) |

step
4得意・苦手を分析する
最後に、楽しいと感じた業務、やりがいを感じた仕事、逆に苦手だった業務、やりたくなかった仕事を洗い出します。
例(営業の場合)
カテゴリ | 具体例 | 理由・コメント |
---|---|---|
楽しいと感じた業務・やりがいを感じた仕事 | 顧客の課題をヒアリングし、最適な提案を考える | 相手の悩みを聞いて、ピッタリの提案を考えるのが面白い。課題解決の達成感がある。 |
既存顧客との関係構築・リピート契約の獲得 | 顧客と長期的に関係を築き、信頼関係を深めるのが楽しい。リピート契約につながると嬉しい。 | |
営業戦略の立案・データ分析を活用したアプローチ | どのターゲットにどうアプローチすれば成果が出るか考え、戦略を立てるのが得意。 | |
プレゼン・商談の場で提案すること | 自分のアイデアを形にして、相手に伝えるのが好き。プレゼンの準備もやりがいがある。 | |
成果が数値として現れる業務(KPI達成) | 努力の結果が数字で見えるとモチベーションが上がる。結果が出ると達成感がある。 | |
苦手だった業務・やりたくなかった仕事 | 飛び込み営業やテレアポの数稼ぎ | 数をこなすだけの非効率な営業はストレスになる。意味のあるアプローチをしたい。 |
細かい事務作業・データ入力業務 | 手順通りにやるだけの単純作業が苦手。ミスを防ぐのが大変で、モチベーションが上がらない。 | |
社内の無駄な会議・報告業務 | 目的が不明確な会議や、意味のない報告業務が苦痛。実務に集中したい。 | |
クレーム対応や無理な要求をする顧客の対応 | 理不尽な要求をされるとストレスを感じる。納得感のある商談がしたい。 | |
価格勝負の営業(値引き交渉ばかりの仕事) | 商品の価値ではなく、値段だけで勝負するのはやりがいを感じにくい。 |

ほんでな、「キャリアの棚卸し」ってまとめてやるもんやなくて、本来は定期的にやるもんやねんな。



まとめ
転職の成功のためには、「自分の位置」を理解することが重要です。そのために、キャリアの棚卸しと自己分析をしっかり行いましょう。
このコンテンツのまとめ
- 自己分析は、主観と客観の情報をうまく利用して、価値観や適性を知る。
- キャリアの棚卸しは、具体性があればあるほど良い。
- キャリアの棚卸しは、定期的に行う必要がある。
今回説明した、転職のための自己分析とキャリアの棚卸しをまず実践してみることで、「転職すべきがどうか」の判断にも繋げることができます。初めての場合は時間もかかり大変ですが、今後の自分の財産になるので、まずは臆せず取り組んでみてください!